今日の一冊 『グアテマラの弟』


ぐーんと気温が上がって空も青くなって、夏に向かっているのが分かる。

寒い間縮こまっていた体と心が一気にほどけて、思いっきり伸びをする。

季節が巡れば、体の芯から力が湧いてくるから不思議だ。

こんなとき、人間って生きものなんだなぁと思う。


そんなことを思って、ふと『グアテマラの弟』を思い出した。

そういえば、最初に読んだのも6月だった。

だんだん強くなっていく日差しにグアテマラを重ねたのだろうか、立ち寄った本屋さんで吸い寄せられるように手に取った。

どうやら女優の片桐はいりさんが、現地に住む弟を訪れるグアテマラ滞在記らしい。


エネルギッシュな太陽の下、おおらかに暮らすグアテマラの人々。

そんな日常に飛び込んで、驚いたり、共感したり、日本の家族に思いを馳せながらも、すっかりグアテマラに溶け込んでしまうはいりさん。

背伸びしないはいりさんのお人柄とユーモラスで伸びやかな文体も魅力的で、すっかり虜になってしまった。


気分は夏モードだけど、梅雨明けはまだもう少し先。

夏が来るまで、グアテマラの夏を先取りして楽しむとしよう。



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